SWスタッド工法
SWスタッド工法は、SWスタッドを梁や柱の鉄骨部材に直接スタッド溶接で固定し、これに壁筋を定着させ、耐震壁を造成する方法です。
地震に襲われた都市は「1978年宮城県沖地震」の例を見るまでも無く、ビル倒壊や火災など多くの危険を抱えており、従来よりも一層耐震壁の必要性が高まっています。
いままで、鉄骨鉄筋コンクリート造りの耐震壁は、梁や柱の鉄骨部材に壁筋が当たってくる部分の処理方法として山形鋼や平鋼にヒゲ筋を溶接し、定着筋を設けたり、鉄骨主材そのものに鉄筋穴をあけて処理するなど色々苦心しながら手間のかかる方法で処理されていました。日本スタッドウェルディング株式会社では、株式会社神戸製鋼所の協力により、溶接性が高く施工性も優れた異形鉄筋の完成により、長尺異形スタッドSWスタッドを開発。このSWスタッドを梁や柱の鉄骨部材に直接スタッド溶接で固定し、これに壁筋を定着させる合理的な方法によって、経済的で施工の簡単な耐震壁の造成を可能にしました。
SWスタッドの開発により耐震壁の機能が充分に発揮されて構造物全体の剛性、耐震性がぐんと高まります。
特徴
施工工期の短縮
建築現場にて鉄骨部材にフープ筋及びスターラップ筋などの鉄筋材を配筋後、配筋材を通して直接、柱や梁の鉄骨にSWスタッドが溶接できるため、安全で現場作業能率が数倍向上し、施工の簡素化で工期の短縮に役立ちます。
全姿勢の溶接が可能
従来のスタッド溶接では困難な上向き、横向き溶接が現場で容易に作業でき、すみ肉溶接の困難な全姿勢手溶接に比べ優れた溶接結果が得られます。
溶接性が特に優秀
SWスタッドの材質は通常の鉄筋材ではなくスタッドジベル用の規格品を使用し優れた溶接性と強度を確保しております。
コストを大幅に削減
従来は梁・柱にメネジを工場で溶接し現場で長尺オネジをはめ込む工法。又梁・柱の長手方向に平板を工場溶接し現場でこれにヒゲ筋を溶接する工法。更に梁・柱に多数孔を明け塗筋を縦横に貫通し組み立てる等、色々な方法が行われていますが何れも材料、加工費、困難な組立工程による工賃のアップでトータルコストは非常に高くなっています。SWスタッドの出現は鋼材・溶接捧・溶接費がすべて不用で工期も短縮する事が出来るためコストが大幅に節約されます。
SWスタッドの内容について
使用材料
SWスタッドに使用されている異形棒鋼は、(株)神戸製鋼所の協力により溶接性に優れたスタッド溶接専用鋼KSW490を使用しています。
KSW490の化学成分(%)
種類 | C | Mn | Si | P | S |
---|---|---|---|---|---|
KSW490 (JIS G3112 SD345) |
0.20以下 | 0.30~0.90 | 0.15~0.35 | 0.040以下 | 0.040以下 |